ポスターは、最も古く、たくさん試されてきた本当に役立つマーケティングツールの中の一つであり、このような用途で使われてきました:
- イベントの宣伝
- 商品の紹介
- キャンペーンのプロモーション
- 教育的な情報の共有
- その他いろいろな用途
それは、ポスターがとても多様性のあるものだからです。ウェブとプリントどちらにも対応できますし、クラシックにもクリエイティブにもできます。 可能性は無限大です。
可能性が無限であるだけに、ポスターの正しい作り方というのは存在しません。ですが、守るべき基準はあります(ルールを破るには、まずルールを知らないといけません!)。
ありがたいことに、たくさんの人々がVenngageを使って、ビジネスやキャンペーン、クラスや個人的な場面で素晴らしいポスターをデザインしてくれています。なのでそれらを参考に、誰にも負けないくらい詳しい、最強のポスターデザインガイドを作ってみました。
この膨大なポスターデザインガイドでカバーする内容は以下の通りです:
- ポスターデザインの基本
- イベントポスターデザイン
- セールスポスターデザイン
- 募金ポスターデザイン
- リサーチポスター(近日公開)
- ソーシャルメディアポスターデザイン(近日公開)
- 教育ポスターデザイン(近日公開)
- トラベルポスターデザイン (近日公開)
- モチベーショナルポスターデザイン(近日公開)
- 不動産ポスターデザイン(近日公開)
- 科学ポスターデザイン(近日公開)
このガイドはパートごとに公開していくので更新をチェックしてくださいね!
さあ、デザインを始めましょう!
1. ポスターデザインの基本
いろいろな種類のポスターを紹介する前に、常に頭に入れておきたいポスターデザインの基本がいくつかあります。 これらのポイントは、基本的にどのようなポスターにも適用できます。
この数分間の動画では、ポスターデザインのために覚えておきたい必須の10のポイントを紹介しています:
ポスターの目的を決める
ポスターを作る目的が、あなたのポスターデザインの要点になります。テキストやグラフィック、色彩、ページのサイズなどはすべて、目的を頭に入れた上で選ぶべきです。
ポスターをデザインする前に考えること:
- ポスターを見た人に伝えたい核心のメッセージは何か
- ポスターを見た人にどのような印象を与えたいのか
- ポスターがどのように共有されるのか
例えば、ポスターの目的がカンファレンスへの参加を促すことなら、その目標を達成するためにはどのようなデザインが良いのか、戦略を練って決めるべきです。書面によるコミュニケーションは、シンプルが勝ちです。
このカンファレンスポスターをご覧ください:
このデザインは、出席者が必要な情報を、洗練されたプロフェッショナルな仕上がりで強調しています:
- 黄色と青のコントラストで、時間と場所、演説者を強調しています(出席を考える人の興味を引くであろう情報)。
- カンファレンスのタイトルが一番大きい文字で書かれています。
- カンファレンスのタイトルに続いて、簡潔な内容の説明が書かれています。
- 背景の画像が、チームで協力して目標を達成する様子を彷彿とさせます。
次に、こちらのサンクスギビングのフードドライブのための募金を促すポスターをご覧ください:
このポスターの目的は、イベントの宣伝と人々に参加を促すことです。
- こちらは、すべての年齢層に適した遊び心のあるデザインです。
- アイコンを使って、イベントのテーマを表現しています。さらに、イベントの主催者が読者に起こしてほしい三つのアクション– 協力、寄付、イベントをもっと知ることが強調されています。
ポスターテンプレートを使って簡単にデザイン
デザイン経験があまり(もしくは全く)ない場合、一からポスターを作るのは気が重いかもしれません。ポスターテンプレートを使えば、あなたのデザインを作るための基盤がすでにできています。
あなたの目的を達成する助けになるようなテンプレートを選ぶところから始めましょう。あなたのイベントのテーマが反映されている、もしくはあなたが探しているレイアウトのポスターテンプレートを探しましょう。
ポスターテンプレートを選ぶときに、注意しておきたいこと:
- あなたの目的に合ったレイアウトのポスターテンプレートを選びましょう。(例)ヘッダーや画像の位置、ページの比率など)。
- ポスターを共有する場所に合ったページの比率を選びましょう(正しい比率についてはこのあと話します)。
- デザインの中で気に入らない点があれば、テンプレートをカスタマイズできるということを覚えておいてください。
例えば、強調したい要点が三つあるなら、プレースホルダーが三つあるテンプレートを選びましょう:
ポスターに注意を引くために対比色やはっきりとした色を使う
鮮やかではっきりとした色彩は、今年のグラフィックデザインの人気トレンドの一つです。目を引き、モダンなデザインはポスターにぴったりです。
グラフィックは単色で、はっきりとした色の背景を使いましょう:
例えば、こちらの映画宣伝用のポスターでは、はっきりとした単色のブロックが使われています:
大胆な色彩を選ぶのは勇気がいるかもしれませんが、注目を集めるデザインが作れるというメリットがあります。
もちろん、どんな場面でも鮮やかな色彩が合うかと言ったら、そうではありません。ときには、落ち着いた色彩や、最低限の色を使ったデザインの方がしっくりくる場合もあります。それでも、重要な情報に目が行くように、対比色を使うべきです。
例えば、こちらのミニマリストな保健所のポスターは、所々に薄緑を使って、宣伝されている保健所の名前に注目を引いています:
ポスターデザインには印象的で高画質な画像を使う
ポスターのスペースは限られているので、低画質な画像を使っている余裕はありません。ポスターデザインに使う画像やグラフィックはすべて、それぞれ注目を引き、情報をわかりやすく伝えると言う役割を果たさなければなりません。
選ぶ画像はユニークなものが良いです。感情的なリアクションを起こさせるものを、戦略的に選びましょう。
例えば、こちらの科学博覧会のポスターテンプレートに使われている画像は、驚きや探究心を思わせます:
もしくは、こちらのモチベーショナルポスターテンプレートをご覧ください。ラベンダー色のフィルターで、温かみのある画像をさらに落ち着いた雰囲気にしています:
いい画像はだいたい、明るく鮮やかな色のフィルターで見る人を幸せな気持ちにします。暗い色のフィルターは基本的にネガティブな感情を彷彿とさせるので、募金活動やシンポジウムなどのイベントの楽しい雰囲気を弱めてしまう可能性があります。
ですが例外もありますので、あなたのポスターと目的に一番合った画像を選んでください。
フォントの種類は三つまで
基本的にこのルールを守れば、フォントを選ぶときにデザインがごちゃごちゃしてしまうことを防げます。 一つのポスターデザインの中では、フォントの種類は三種類までに抑えましょう。
ポスターのためのフォントの選び方:
- ポスターヘッダーには、太めの飾り文字を選びましょう。
- サブヘッダーには、似たスタイルでシンプルなフォントを選びましょう。
- 本文には、読みやすくさっぱりとしたフォントを選びましょう。
ですが、ルールは破るためにあるとよく言いますよね。例えば、文字がメインのポスターは、フォントの種類が三つ以上でも良いデザインの一つです。
例として、こちらはたくさんのフォントを使った音楽フェスのポスターです。まとまりを作っているのは、一貫性のある色彩です:
印刷用にポスターを最適化する
あなたはポスターをどんなところで共有しますか?ウェブサイト?町中?それとも、混み合った学校のコルクボード?ポスターを印刷するつもりなら、いくつか頭に入れておきたい基本のガイドラインがあります。
ポスターをどこに貼り付けるのかイメージする
どんなところにポスターを貼り付けるかおおよその見当はついているでしょう。デザインのいくつかの要素は、貼る場所によって決めることができます。
他のポスターがたくさんある中に貼るなら、目立つように大きなサイズでプリントしましょう。逆にあまり他のポスターがない場所なら、小さめに印刷してたくさん貼ることで、インパクトを与えることができます。
ポスターのデザインはスタンダードな紙のサイズを想定して作る
大きなポスターを作成する場合以外は、印刷を外部に発注するお金がもったいないでしょう。なので、ISO A1-A5に合うようにポスターをデザインすれば、自分で印刷することができます。
CMYKカラーモデルを使う
印刷をすると、思い通りにならない色もあります。分かります。面倒ですよね!ですから、デザインを始める前に、印刷に適したカラーパレットを使っていることを確かめることがとても大事です。
CMYKカラーモデルはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの略で、もっとも印刷に適しているカラーパレットです。なぜなら、プリンターはCMYKを使っているから。ですから、思った通りの色に印刷できるように、ポスターをデザインする時は最初からCMYKを使いましょう。
ソース
二つのカラーホイールの違いが分かりますか?よく見てみてください。
遠くからでも読みやすいフォントを使う
ポスターについ豪華なフォントを使いたくなるかもしれませんが、そこはぐっとこらえて!凝ったフォントは、遠くからだと読みづらい傾向があります。
例えば、このポスターはヘッダーにPaytone Oneの200ptの文字、本文には24ptの文字を使用しています:
本文の文字は24 – 48ptの間に設定する
フォントが小さすぎては、数メートル先から読めず関心を集めることができません。
最適な解像度でエクスポートする
ぼやけた画像はなんだかイライラしますし、最適な解像度でエクスポートするだけで回避することができます。300 dpiでエクスポートすることで、ぼやけた画像を印刷しないようにしましょう。
Venngageなら、HD PNGもしくはPDFとしてポスターをダウンロードできます:
印刷用の「ブリードマーク」を設定する
印刷における「ブリードマーク(外トンボ)」は、画像やオブジェクトがページの端に触れている時に必要になります。ポスターの端までデザインがあるポスターを印刷すると、プリンターが自動的に紙の周りに白い縁を入れて印刷します。
なぜかというと、端までデザインがあるドキュメントは、仕上がりよりも大きな紙に印刷して裁ち落としをする必要があるからです。
ですので、ふちが白くなってしまわないように、トンボを設定しましょう。そうすることで、ページ上のどこでデザインが終わるかを示すことができ、印刷した後に裁ち落としをすることができます。
ソーシャルメディアでの共有に最適化させる
ウェブ用のポスターデザインは、印刷用のデザインほど制限が多くありません。ですので、デザインの幅がグンと広がりますが、それでもいくつか参考にしたいガイドラインがあります。
特定のソーシャルメディアのプラットフォームに最適化する
ソーシャルメディアで映えるポスターを作るためには、それぞれのプラットフォームに合わせたサイズで作らなければなりません。それぞれのプラットフォームに合わせて、いくつか違うバージョンのポスターを作りましょう。
一般的に、スマートフォンでの閲覧には縦向きのレイアウトが好ましいでしょう。なぜなら、人々は画面を上下にスクロールする動きに慣れているからです。
ですがイベントをTwitterやFacebookのニュースフィードで宣伝する場合、バナーの方が適しています。その場合、横向きのレイアウトが良いでしょう。

さらに、メールにポスターを添付して宣伝する場合、1080 x 1080 dpiのスクエアポスターが最適でしょう。これはInstagram向けのポスターにも当てはまります。
ソーシャルメディア用のポスターには大きく太めのフォントを使う
スマートフォンで見る場合は特に、小さな画像としてフィードに表示されることを意識しながらデザインしましょう。
見る人の注意をひく大きなフォントを使って、文字数を少なめ抑えましょう。
ストック画像を引き立たせるアイコンを使う
インターネットをある程度使っている人なら、様々なシーンで繰り返し使われるストック画像にお気づきでしょう。無難なストック画像は、デザインをつまらなくしてしまうかも。
ですが限られた予算の中で、ストック画像を使うしか方法がない方も多いでしょう。そんな時こそ、クリエイティビティーを発揮してクトック画像をカスタマイズしてみましょう。
アイコンはポスターデザインの質をあげるためにはぴったり。アイコンを使えば、要点を際立たせたり、文字の代わりに使うこともできます。アイディアを視覚化するためにも便利ですよ。
例えば、このように宇宙のストック画像にシンプルな旗のアイコンをいくつか加えたことで、新しい意味合いが生まれました:
ポスターデザインの中にアイコンを取り入れる場合は、これらのポイントを頭に入れておきましょう:
- 一貫性のあるスタイルのアイコンを選ぶこと(線の太さ、書き込み具合、ラインアートなのか塗り潰されているのかなど)。
- アイコンはあくまで補助として使い、余白部分は十分に取ること。
- アイコンを文章の代わりに使うときは、意味が明確に伝わるようにすること(例:「Twitter」の代わりにTwitterのアイコンを使うなど)。
また、Unsplash や Pexels など、「ちょっとサムい」と思わせないような美しいストック画像を探すにはとても良いサイトもありますよ。
2. イベントポスターデザイン
さて、あなたは今宣伝したいイベントがあります。仕事の打ち上げかもしれませんし、専門家のセミナーや、はたまたサークルのイベント…どんなイベントでもあなたが答えるべき質問は同じです:どうやって注目を集めれば良いのでしょうか?
イベントポスターの宣伝力ををなめてはいけません。目を引くデザインと関心を惹きつける文章で、イベントに行きたいと思わせることはできます。
商品のパッケージと同じように考えてみてください。ポスターを通して、イベントのテーマや雰囲気をどうやって伝えるか。
まずは、イベントのポスターを作る上で達成したい目標を決めるところから始めてみると良いでしょう。
読む人にどんな行動をさせたいのかに重点を置く
突き詰めていくと、すべてのイベントポスターには共通の目標があります:それ、イベントを宣伝すること。ですがイベントによってそこにたどり着くまでのアプローチは違うかもしれません。
ポスターを作る上での目標の例としてはこんなものがあります:
- イベントの内容や流れを明確に伝えること。
- イベントに対して関心を持ってもらうこと。
- イベントを進行するための協力者を募ること。
- イベントに参加することのメリットを伝えること。
例えば、フィットネスのクラスを宣伝するのであれば、すべての人がそのアクティビティーのメリットを知っているわけではないかもしれません。それは、その情報に感銘を受けて参加するきっかけになるかもしれないということです。
こちらのヨガ教室を宣伝するポスターでは、ヨガをすることのメリットを簡潔に説明しています。 上手にアイコンを使って情報の補助もしています:
こちらは、ヨガの知識が少ない人に向けてヨガの概要を説明しています:
イベントの説明は簡潔に
さらにイベントの詳しい情報を伝えたい場合は、ウェブサイトへのURLやあなたの連絡先を記載しましょう。
ですが、すべての情報を解禁したくない場合はどうでしょう?イベントの期待を高めることが目標だとしたら?
その場合は、オーディエンスに対して提供する情報を制限することもできます。例えば、イベントの前日まで開催場所を知らせないことで、特別な人しか入れないような、良い意味で閉鎖的な印象が増します。
例えば、このアルバムリリースのために作られたポスターは、アルバムのタイトルと発売日しか記載していません:
商品の名前と発売日のみを公開することで、イベントに対しての期待度を高めることができます。口コミにも火が付きやすくなり、新商品に対する好奇心や期待度が高まるでしょう。
ポスターに文字を入れる場合は、情報のヒエラルキーを意識する
ポスターに記載する状況は、そのポスターを使って達成したい目標によって変わってきます。ですが標準的なポスターを作る場合は、情報のヒエラルキーを守るのが得策です。
ポスターに記載するイベントの情報は、この順番で読ませるようにデザインしましょう:
- イベントの名前。
- イベントの日時。
- イベント内容な簡潔な説明、またはキャッチコピー
- イベントの開催場所(公開する場合)。
- 会社、部、団体の名前など。
- 必要な場合は、さらに詳しい情報を得られる場所(ウェブサイトのURLやソーシャルメディアのアカウント名、または電話番号など)。
この順番通りに記載する必要はありません。ですが、見る人の視線ができるだけこの順番に移動するようにデザインすると良いでしょう。
読む人の視線をこの順番で移動させるには?幾つか例を紹介します:
- イベントの名前を一番大きなフォントにする
- アイコンや画像で重要な点に注目を集める
- キーワードは鮮やかな色にする
イベントの雰囲気を反映するような色彩を選ぶ
色は、人が視覚的なコンテンツをどう受け取るかに深く関係しています。色彩心理学の世界では諸説ありますが、私たちが特定の色を特定の感情と結びつけて考えるのは疑いようのない事実ですよね。
色彩を選ぶときには、イベントをアピールしたい産業や層を頭に入れておきましょう。例えば、青をたくさん使った色彩は、だいたいのビジネスイベントに適切と言えるでしょう。世界のブランドトップ100を調べた統計によると、ほとんどのブランドが青を使っています。
一方、美術関連のイベントには、クリエイティビティーをアピールするために、鮮やかでコントラストの強い色彩が使われるのも納得がいきます:
イベントのイメージによっては、色を全く使わないという選択肢もあります。こちらの白黒をテーマにした祝祭のポスターは…そう、シンプルなモノトーンの色彩を使ってクラシックな印象を与えています:
場合によっては、適切な色彩がはっきりとしていることもあります。例えば、秋をテーマにしたイベントのポスターを作るなら、温かみのあるオレンジやブラウン、イエローのような、秋の景色を彷彿とさせる色彩が良いですよね。
クリスマスやバレンタインデー、ハロウィンなど、祝日関連のイベントはだいたいこのように使う色彩がはっきりしている場合が多いです。
カラーフィルターでポスター全体の色彩バランスを保つ
半透明なカラースウォッチを使って、背景画像に色をオーバーレイしましょう。こうすることで、デザインをカスタマイズできるだけでなく、文字が背景に溶け込んでしまうのを防ぐこともできます。
Venngageでこの効果を使うためには、色のついた四角いアイコンをキャンバス上にドラッグし、四角を画像が覆い隠すように引き伸ばしてください。そして、カラー選択ツールで四角の透明度を調整すれば完成です。
色の組み合わせに自信がない場合は、Coolorsなどの色彩ジェネレーターツールを使うと便利です。
イベントのテーマを反映する装飾フォントを使う
フォントにはそれぞれの個性があり、与える印象も違います。ですので、フォントはイベントのテーマや雰囲気を伝える役割を担ってくれます。色彩と同様に、フォントを選ぶ際にもターゲット層の特性を加味することが大事です。
基本的に、セリフフォントは文字の曲がり角に飾りがあるので、クラシカルでファンシーな印象を与えます。 例えばアート系のイベントやディナーパーティー、ウェディングシャワーなどのポスターに適しているでしょう。
こちらのポスターデザインは、セリフフォントを使ってフォークの雰囲気をうまく出しています:
一方、サンズセリフフォントはセリフ(装飾)がないので、ミニマリストで効率的な印象を与えます。技術関連のコンテンツに使われることが多いのはそのせいでしょう。
ビジネスカンファレンスのようなイベントのポスターには、サンズセリフフォントを使うことが好ましいでしょう:
さらに、ポスターの中でいくつか違ったフォントを組み合わせることもできます。実は、ヘッダーに装飾系のフォントを使い、本文をミニマリストなフォントで締める手法はよく使われているんです。
こちらのポスターは、三つのフォントを上手に組み合わせることで良い味を出しています:
過去のイベントの写真や、イベントの内容を表現する写真を使う
多くの人の場合、イベントに参加するかどうかは具体的な内容によって決まります。ですので、過去のイベントで撮った写真を使うことによってイベントへの参加を促しやすいポスターデザインになるでしょう。
例えば、こちらのコンサートのポスターテンプレートは過去のコンサートの写真を使用しています。イベントに興味のある人はこれを見て、コンサートの雰囲気やだいたいの規模が予想できます:
過去の写真がない場合は、イベントの内容をうまく表現してくれる写真を使ってみましょう。
例えば、この料理教室のポスターは、芸術的な食材の写真を背景に使用することで、美しい材料を使った料理を学べる印象を与えるので、食に関心が高い人の興味を惹きます:
3. セールイベント用ポスターデザイン
宣伝したいセールイベントがあります。
外に出て、道行く人に向けて思いっきり叫んで宣伝することもできますが…
あまりおすすめはしません。代わりに、とびっきりのセール用ポスターを作って情報を拡散しましょう(私たちのほとんどはトビアス・フンケのような演技力を持っていませんからね)。
セール用のポスターはオーディエンスの関心をつかむ良い手段です。メールで送るも良し、ソーシャルメディアで拡散するも良し、もちろん印刷して配るも良し。
イベントポスターのセクションで紹介した方法のほとんががセール用のポスターにも適用されますが、セールス用のポスターに関していくつか頭に入れておきたいポイントがあります。
セール用ポスターの文章は簡潔かつ最低限に抑える
ポスターに記載する文章の内容は、いつ、どこで、何があるのかだけにフォーカスしましょう。
セール用ポスターのほとんどが具体的な割引の内容を強調しているものばかりです。消費者に対して何を提供するのかはっきりと伝えることが目標ですから、当然と言えば当然ですね。
オーディエンスにセールを宣伝するために:
- 具体的な割引の内容、
- どんな商品が割引の対象になるのか、
- セールの期間、
- などの情報を記載すると良いでしょう!
それ以上の情報を記載するスペースはないと考えた方が良いかもしれません。
例えば、このセール用ポスターは提供するセールの内容(無料配達)とセールの期間(二日間のみ)を記載しています:
興味のある人はページやメールの下へスワイプして詳しい情報を読むか、ウェブサイトを閲覧することができるようにすると良いかもしれませんね。
割引額を表すためにはパーセンテージと実際の金額どちらを使えば良いかについて一言:
これについては、パーセンテージの方が良いと言う説もあれば、実際の金額の方が興味を引くという説もあります。今のところ有力なのは、とある専門家たちが提唱している、どちらの方法が良いというよりも、どちらの方が大きな割引に聞こえるかが宣伝効果に関係しているという説です。
つまり、「1500円引き」よりは「5000円引き」の方が効果があるけれど、たとえ内容が「1500円引き」だったとしても「50%オフ」と言い換えることができれば同じくらい効果があるかもしれないということです!
質の良い商品画像を使用する
なぜなら、受け取り側からすれば、商品画像のクオリティーが商品のクオリティーを物語るからです。
質の高い商品画像と言っても、具体的にどういったものが良いのでしょう?商品画像を決めるときに参考にしていただきたいポイントがこちらです:
- 商品のクオリティーを強調するために、背景は白にする。
- 使用イメージを掲載する(例えば、腕時計は腕に巻いた写真、パイならキッチンのカウンターに置かれている写真など)。
- 大きさのイメージが湧くように、できるだけ原寸大の画像を使う。
- 複数の商品を勧めたい場合は、グループ化した画像を掲載する。
- 商品の詳細な特徴を捉えた画像を使って特定の機能を強調する。
- パッケージに入った商品の画像を掲載して、新しい商品を開封する楽しみを演出する。
Shopifyは、安い値段でハイクオリティーな商品画像を撮るための素晴らしいガイドをこちらで紹介しています。さらに、Big Commerceでも効果的な商品画像の取り方のガイドがこちらで公開されています。
例えば、こちらは私がIndigoから受け取ったニュースレターのセールスポスターです:
綺麗な文具の写真がシンプルなドット柄の背景に映える、美しくミニマリストな雰囲気のポスターになっています。文具好きとして正直に言いますーついクリックしてしまいました。
他にも、画像を背景として使い、その上から文字を重ねる(オーバーレイする)方法などがあります。
これはファッションのセールポスターでよく見る手法です。例えば、こちらのZaraのポスターでも:
これは商品の使用イメージを提示しているセールポスターの良い例でもあります。オーディエンスはモデルがジャケットを着ている写真を見て、自分が着ているところを想像することができます。
セールポスターに会社のブランディングを取り入れる
会社の知名度・認知度を上げるためには、視覚的なコンテンツにおいて一貫性のあるブランディングをすることがとても重要です。
セールイベントを宣伝しているなら尚更、オーディエンスがあなたのビジネスを知らないと買い物をすることすらできませんよね。
セールポスターにロゴとブランディングカラーを使う
ロゴは一番に注目して欲しいところではないので、ポスターの一番上か一番下にポンと入れておけば良いでしょう。
例えば、こちらは私たちが過去にブラックフライデーのセールを宣伝するために作ったポスターです:
下の方にある小ぶりなVenngageロゴに気付きましたか?重要な情報から注意をそらすことなく、イベントの主催者が誰なのかを伝えることができています。これは、ソーシャルメディアでポスターをシェアしたい時に特に役立ちます。オーディエンスがニュースフィードに出るアカウント名を必ずしも見るとは限りませんからね。
さらに、このセールポスターの例では、Venngageのブランドカラーである青色が使用されています。
(そこのあなた!Venngageのマイブランドキットなら、あなたのブランドカラーのパレット、ロゴ、フォントなどを保存できて、視覚的なコンテンツのブランディングがさらに簡単にできますよ!はい、図々しい宣伝終了。)
セールポスターをソーシャルメディアやメール用に最適化
今の時代、オンラインでセールを知ってもらえる確率の方が高いでしょう(オンラインサイトならそれがデフォルトですね)。さらに、セールを宣伝するための広告をソーシャルメディアで流したいかもしれません。
イベントポスターのセクションで説明したサイズ選びの方法がセールポスターにも当てはまります。どのソーシャルメディアのプラットフォームで宣伝するかによって、ポスターの比率を変えると良いでしょう。
大手ソーシャルメディアごとの理想の比率(px)はこちらです:
Facebook: 1200 x 627
Twitter: 440 x 220
Instagram: 1080 x 1080
Pinterest: 長さは多少調節できますが、幅は238 pxです。
セール用ポスターをそれぞれのソーシャルメディアサイトに最適化することで、ポスターの端が切れてしまって文字が読めなくなることを防ぐことができます。
例えば、こちらのコーヒーのセール用ポスターは、Twitterにぴったりです:
また、こちらのブラックフライデーセール用のポスターは、Instagramのフィードに適しています:
ソーシャルメディアの広告では特に、文章を最小限に抑えることがとても大事です。 スマートフォンの小さい画面で見られることになる場合が多いですからね。
CTA(コール・トゥー・アクション)を取り入れる
理想的には、オンラインであなたのセールポスターを見た人にウェブサイトを見て割引商品をチェックして欲しいですよね。それなら、コール・トゥー・アクション(CTA)の概念を取り入れて見る人の背中を押してあげませんか?
CTAはセールポスターを見た人の商品購入に向けての第一歩を促してくれます。 だいたい、CTAはこちらの例のようなシンプルなアクションフレーズです:
一番下にある「お見逃しなく!」のフレーズが、見た人にいますぐ行動を起こさせる後押しをしてくれます。
クリックしてウェブサイトに飛べるボタンを作るのも有効的な手段で、メールのニュースレターによく使われています(ちなみに、私たちのニュースレターデザインツールでもクリエイティブなニュースレターのテンプレートがたくさん提供されていますよ)。
こちらのポスターでは、「今すぐショッピング」のボタンを使って見る人にクリックを促しています:
ボタンを見ると押したくなるのって、人間の本能ですよね。
そこであなたは疑問に思ったかもしれません:CTAボタンの色は関係あるのかと。
諸説ありますが、関係はあると言って良いでしょう。
いろいろな意見があるかもしれませんが、最終的に大事なのは特定の色を使うことではなく、ポスターの中で際立つ色をCTAボタンに使うことです。
CTAボタンを作るなら、背景とコントラストのある鮮やかな色を使いましょう。
こちらは白の背景に緑のCTAボタンを付けたポスターです:
こちらはオフホワイトの背景に黒いボタンのポスター:
明るい色の背景には暗くボールドな色のボタン、そして暗い背景には明るい色のボタンを使えば問題はないはずです。
ポスターをGIFにする
猫や犬が動くものを見ると気をとられますよね。人間もたいして変わりません。
あなたのセール用ポスターをGIFにするのも、オーディエンスの関心を掴んだり、広告をもっとユニークにするための良い手段です。
LOFT がメールのキャンペーンの一部として送ったセールポスターをご覧ください:
セール用ポスターGIFの作り方:
ステップ1: 少しだけ変化を加えたポスターのバージョンを数枚作る
例えば、アイコンや文章の位置を少しだけずらしたりするのが一つ(LOFTのポスターでスイカの種が雨のしずくの様に落ちる風にした手法もそうです)。
こちらは同じポスターの2バージョンで、キャンディーケーンの位置が微妙に違います。
その結果、踊るキャンディーケーンのポスターが完成します!
特定の色を変化させることも一つの手段です:
ステップ2: ポスター画像をPNGとしてエクスポートする
それぞれのバージョンのポスターを別々の画像として保存し、組み合わせることでGIFが作れます。
ステップ3: GIFメーカーで画像を一つのGIFにまとめる
GIFを作るための無料オンラインツールが幾つかあります。例えば、 Giphyがその一つです(例のポスターGIFはGiphyで作りました!)。他にもGifMaker.meやEZgifなどのサイトがあります。
そして…ジャジャン!楽しいGIFポスターが二つ完成しました:
4. 募金活動ポスターデザイン
次は、もう少し利他的なポスターの作り方について考えてみましょう:募金活動用のポスターです。これらのポスターは、非営利団体や教育機関、または会社などがチャリティーのために募金活動を行うときに使います。
一般的に、募金活動用のポスターはチャリティーイベントや、クラブ・教育プログラムなどの地元団体の宣伝のために作られます。また、非営利団体の認知度を高めるために使うこともできます。
他のタイプのポスターと同じように、デザインの基本原則に従うとともに、募金活動のためのポスターをデザインするときに押さえておきたいポイントがいくつかあります
ターゲット層を意識してポスターデザインを考える
募金活動のターゲット層は、訴えたい特定の社会問題などに情熱を持っている人たちです。
どんな人が自分たちの活動内容に興味を持ってくれそうか考えて、そのような人たちにアピールできそうなポスターをデザインしましょう。
例えば、動物の権利を主張する募金活動を宣伝しているとしましょう。その場合、動物が好きな人たちがターゲット層です。
こちらのポスターは、犬の健康のためのチャリティーに募金をした場合、募ったお金を具体的にどのような方法で使うか提示しています:
犬を飼っている人なら、愛犬の健康を管理するためにどれだけお金がかかるか知っていますから、あなたの訴えに同調する確率が高いでしょう。
また、こちらは、「ミーム」のようなデザインで猫好きの人の心を惹きつけるようなポスターとなっています:
このポスターは、太く鮮やかなピンク色のフォントを使用し、背景の緑色と良いコントラストを出しています。ちょっとダサくて変なデザインで、インターネットで猫の画像を見るのが好きな人は惹かれそうですよね。
募金活動やチャリティーイベントの雰囲気によっては、このように遊び心満載なデザインにしてみるのもアリですよ。
イベントにワクワクした要素があると思わせれば(猫好きがこのポスターを見たら思うように)、参加率や募金率も確実に上がるでしょう!
ポスターのヘッダーで、どのような問題を解決するために活動しているのかをはっきりと提示する
大体の場合は、あなたのチャリティーがどのような問題に取り組んでいるか明確にした方が良いでしょう。結局のところ、募金活動のポスターの目的は、その問題の解決のために募金を促すことですからね。
一般的に、チャリティーには不信感を持つ人が多いですから、その人が気にかけている問題に直接お金が使われているということをはっきりと提示しましょう。
ポスターのヘッダーは、通り過ぎる人、ニュースフィードをスクロールしている人、またはメールを軽く流し見している人たちの注意を引くためのものです。
ポスターのスペースは限られていますから、視覚的要素はデザインをごちゃごちゃさせずに情報を詰め込むのにもってこいです。
アイコンやイラストレーション、図などを使えば、ショッキングな統計やコンセプトの例、サクセスストーリーなどを視覚化し、オーディエンスの理解度を高めることができます。
例えば、こちらのチャリティー用ポスター:清潔な水がどれだけ人々の生活に影響を与えるかをアイコンを使って表現しています。
アイコンデザインハック:アイコンを特定の形にグループ化してイラストレーションの一部にしてみましょう。同様のスタイルを使って一貫性を保つことで、すっきりとしたデザインに仕上げることができます。例えば、上のポスターは、線の太さが同じで、平らなアイコンのみを使っています。
募金をしたくなる理由を示す
もちろん、ポスターにはチャリティーの内容を深く掘り下げて書くスペースはありません。ですが、最低限、チャリティーの主な目標や戦略を簡潔な文章でまとめることはできるはずです。
オーディエンスが目を見開くような統計を示す
具体的な数字は問題の全体像を把握するために役立ちます。できるだけ、見る人の情に訴えかけることができそうな統計を使いましょう。特定の病気で苦しむ人たちの数や、とあるコミュニティーが稼ぐ少ない賃金などが良い例ですね。
こちらの献血運動のポスターは、オーディエンスが驚くであろう五つの統計を挙げています。
ニュートラルな色やグレースケールの背景に、鮮やかな色を組み合わせて重要な数字を強調する
上のポスターは、赤い丸を使って統計の数字を目立たせています。
さらにこちらのポスターでは、同じ情報を使い、比較的ミニマリストなデザインに仕上げています:
二つ目のデザインの強みは、CTAボタンに注意を引きやすいということです。これについては、後々さらに詳しく説明します。
数字には、あなたの団体への信頼度を上げる効果もあります。
あなたの団体がすでに成し遂げたことにも言及する
ドナーは、自分のお金を問題解決のために託すわけですから、あなたの団体が信頼に値するものかどうか確かめたいはずです。
過去に達成していることがあるなら、ポスターに入れることであなたの団体が問題に対して真剣に取り組んでいることをアピールできます。
例えば、問題解決のために投資した金額などを示しても良いでしょう。こちらのポスターは、貧困をなくすための活動に年間でどれだけの金額を投資したかを強調しています:
また、あなたの職場で毎年恒例の募金活動を宣伝するなら、昨年度集まった金額などをポスターに記載したり、支援することができた人数などを含めるのも一つの手ですね。
例えば、こちらの遊び心のあるポスターは、学校の図書室に無償で本を提供するチャリティー活動のものです。今年の間に本を届けることができた生徒と学校の数、そして本そのものの数を含めることで信頼度を高めていますね。
Venngageのアイコンライブラリには、あなたのポスターに遊び心を取り入れるためのイラストがたくさん用意されています!
実在する人物の写真を使う
特に、人の顔が写っていると効果的です。Journal of Risk and Uncertainty に掲載されたとある研究では、人は特定できる受益者(募金によって利益を得る人)を見ると、募金をしたくなる確率が上がるという結果が出たそうです。
実在する人をポスターで見せることによって、見る人は問題をより具体的に想像することができます。
例えば、こちらのOxfamのポスターは、特定の受益者、「アリッサ」の写真を使っています:
ドナーになり得る人は、これを見て彼女が実在する人物として記憶に残ります。もちろん、仮名で構いません。
明確なCTA(コールトゥーアクション)を含める
見る人の注意を引くことができたら、次のステップを明確に示してあげることが大事です。
シンプルに「いますぐ募金する」と書くだけでも効果はありますが、もっとクリエイティブなCTAを作ってみても良いでしょう。
例えば、前に紹介したOxfamのポスターは募金できるウェブサイトのURLを含めるだけでなく、キャンペーンのスローガン、「Close the Gap」も強調しています。
スローガンで伝えたいメッセージを効果的に印象付ける
見る人の頭に残れば、募金してもらえる確率も上がります。
CTAボタンを入れる
セールスポスターにボタンを入れるテクニックのように、募金活動用のポスターでもCTAボタンは同じくらい効果的です。
CTAボタンは、背景の色とコントラストをつけて目立たせることを忘れないでください。例えば、こちらのポスターは暗めの背景に鮮やかな緑色のCTAボタンを使っています:
楽しそう!と思わせる募金活動のポスターを作る
真剣な問題のために募金活動をしているとはいえ、楽しく手助けをしてはいけないなんてことはありません!支援を募るだけでなく、支援者のコミュニティーを作ることも一つの目的なら、コミュニティー作りの観点をアピールすることも大事です。
ポスターデザインを使って、あなたの活動を支援することの楽しさを伝えましょう。例えば:
- イベントの楽しいアクティビティーをリストする
- 過去のイベント写真を入れる
- 活動に参加することで得られる報酬を記載する
- あなたのコミュニティーが過去に達成したことをアピールする
例えばこちらの、気分が明るくなるような鮮やかな色のイベントポスターは、キャンペーンの内容と参加するためのステップを説明しています:
必ずしも暗く悲愴的な色彩に頼ることはありません
ポスターの色彩によって、活動に対して与える印象が変わります。
- 暗めの色彩を使えば、問題の重要性を伝えたり、悲しみや同情を誘うことができます。これも、募金を促すための一つの手です。
- ですが、明るく鮮やかな色彩にも、目を引き、問題解決のために手助けをしたい気持ちを喚起させる効果があります。ポジティブな視点を好むオーディエンスも多いですからね!
最もメッセージを届けたいオーディエンスの層を特定し、その人たちに与えたい印象によって色彩を決めましょう。
あなたの創造力を開花させましょう!
ポスターは、クリエイティブなデザイン力を発揮する良いチャンスです。デザイン経験がなくても、ポスターテンプレートがあります!既存のデザインをカスタマイズすることで、簡単に人々の目を引くユニークなポスターが作れることを忘れないでくださいね。